元香水販売員が指南!香水の選び方

こんにちは!マリージャンヌの松永です。今回は、ゲストライターの登場です!
大手香水ショップで長年販売員のご経験をお持ちのKさんに、香水販売経験者からの視点で香水の選び方についてご紹介いただきます♪
現在は店頭勤務から離れてはいるものの、フレグランスに関する情報を発信されています。長年の接客経験からのアドバイスは目から鱗ですよ〜


初めまして!Kです。
普段はマリージャンヌのレギュラーではないのですが、今回はゲストライターとして記事を執筆させていただきます。過去のブログ記事『自分にぴったりの香りを探そう!失敗しない香水の選び方』の補足情報のような感覚でご覧いただけるとイメージしやすいと思います。
ぜひこれからの香水選びのヒントにしてみてくださいね。

<POINT①>文字情報にこだわりすぎない

前回の記事の「<POINT②>自分が好きな香り♪の傾向をチェック」と関連する内容ですが、ある程度いろんな香水について知ってくると、自分の好きな香り、苦手な香りが徐々にわかってくると思います。
が、正直そこに関しては極端に重要視せず、過信しないことをおすすめします(特に苦手な香り)。

※もちろん、自分の好きな香りのタイプ(フローラルやウッディなど)は大いに参考にしてよいとして。

今まで店頭でお客様とお話ししていると、こういった場面によく出くわしました。ローズで例えてみますね。

お客様:フローラルな香りを探しているのですがオススメはありますか?
私 :こちらはいかがでしょう?お客様:良い香り!好きです!
お客様:(ノート情報を見て)あ、でもローズが入ってるのか…ローズ苦手なんですよね…

といったやりとりです。
最初に香ったときは好印象だったところから、ノートに苦手意識のある「ローズ」の表記を発見するとネガティブな印象になった、と。

これについて結論から申し上げると、
苦手意識のある香料があっても、試してみて実感しなければ気にする必要はありません!

というのも、香水の説明にあるノートについての情報は、基本的に使われている香料すべてを提示しているわけではなく、公開されている香料以外も含まれています。
ですから、ノートに「ローズ」というワードが書いていないからといってローズの香料が使われていないとは限らない。
逆に言えば、例えそこに「ローズ」とあっても、あくまでもバランスをとる役割として使われていて、香りを認識できるほどは使われていないという場合もあります。
>結局のところ、その香料がどれくらいの割合で使われているのかはわからないですし、実際に肌の上でその香りがどれくらい出てくるのかは試してみないとわからないので、文字情報に惑わされないように意識することは香りを選ぶ上で大切です。
また一つの香料をとっても、天然香料か合成香料かの違いや、産地、香料のグレードによってそれぞれ香りは違いますし、気にしてしまうとキリがないですからね。
「自分がどう感じたか」が最も信頼できる指標です。文字情報、過信することなかれ。

<POINT②>好きな香りの種類を見極める

お次は、香水選びでこれも一つの判断基準にするとよいのが、
好きな香りは、好きは好きでも「自分がつけたい」ものなのか「(人や空間から)香りたい」ものなのかということです。
自分にとって心地よかったり、リフレッシュできたり、魅惑的だったりと、香りの印象は様々です。ただ香水というものは香りを身に纏って自分から香るものですので、その香りが自分自身から香って違和感がないか、自分がつけているイメージができる香りかというのは、長い目で見ると案外重要だったりします。
これは私自身も経験があるのですが、
「エレガントで良い香りだ!」「おもしろい香りだ!」と惹かれた香水を購入してその後数日はルンルンで使用するものの、ある程度日が経つと「良いけどこれは自分がつける香りじゃないな」と思い始めてそれ以降使わなくなり、未だに家に眠っている、という(皆さんも経験ありますか?)。
ですから、好印象な香りを見つけても、やはりある程度は「自分がその香りをつけているイメージができるか」ということも踏まえて試してみて、しっくり納得できれば購入するという流れをとるのをおすすめします。
とはいえ、その香りをつけているイメージができるかどうかという問題もあるかもしれないので、そこは家族や親しい友人など、自分の周りの人に意見を聞いてみて参考にするのも良いと思います。
「その香り似合うね」って言われると素直に嬉しいですもんね。

<POINT③>プロに相談する

香水選びにおける一番大事なポイントと言ってよいかもしれません。

WEBサイトやソーシャルメディアなど、ネット上では様々な情報があるので、それを見てある程度目星をつけて店頭に行き、試してみるという方は多いのではないのでしょうか。
もちろん、ご自身で根気強くいろんな香りを試してみてその中から選ぶことも楽しみの一つではありますが、お店には心強いサポーターがいます。それが「販売員」です。

香水の販売員は単に香りを知っているだけではなく、相談者の好みや求めているものにマッチするであろう香りを引き出すことも役割の一つですので、相談してみると全然ノーマークだったものが意外に好きだったり、苦手意識のある香料が実はそうではなかったことに気づかされたりと、いろんな新しい発見があると思います。ぜひ気負わず相談してみましょう!

ちなみに、予め販売員に伝えておくと香り探しがしやすいテーマを挙げてみると(あくまでも個人的なものですが)、

    • 普段使っている香水はどういうものか
      →ブランドや名前、香りのタイプ(フローラル or ウッディ)、香りのストーリー・コンセプトなど。わからなければざっくりした香りの印象でもOK。

    • 香水に限らずどういう香りに惹かれることが多いか
      →香りのタイプや印象(すっきりした香り、甘い香り、○○っぽい香りなど)、または情景(「雨上がりの香りやホテルに入ったときの香りなど)。

    • 苦手な香りや馴染みのない香りはあるか
      →いかにも香水らしい香りは苦手、普段フローラルな香りは使わないなど。

    • 今回はどういうものを探しているか
      →いつもの好みで探すかこれまでとは違った香りを探すか、どういう気分になりたいか(リフレッシュしたい、セクシーさが欲しいなど)、どういうシーンで使いたいか(仕事用、休日用、デート用など)

だいたい大きくこの4つ。
全てではなくともこのあたりを伝えておくと、そこから徐々に話が進んでいき、きっとイメージしている香りに辿り着くまでの近道になると思います。
感覚的には物件探しに近いかもしれませんね。

また香水の販売員は少なくとも担当している範囲の香りについては全て把握していますし、中には他社ブランドの香水や香水の歴史など様々な分野についても詳しい博士のような販売員もいます。
いろんなお店に行っていろんな販売員と話してみると、いろんな収穫がきっとあります。

一人でずっと考えていると途中からよくわからなくなってきたり、難しく考えすぎたりしてしまいがちなので、そんなときはぜひお店にいる香りのプロフェッショナルに相談してみてくださいね。

以上、販売経験者視点からの香水選びについてでした!今日のお話が少しでも皆さんの役に立てば嬉しいです。またいつかお会いしましょう!


執筆:K氏

大手香水ショップの元販売員。現在は、ニッチフレグランスを中心に情報発信をしている、フレグランスブロガー。

More Posts

ブログ記事

香りの中心に潜入:ウッディ系

香りの中心に潜入:ウッディ系

こんにちは!マリージャンヌのアリスです。 本日は、オルファクティブ・ファミリーに関するシリーズの続きをお届けします。 ...
Read More
香りの中心に潜入:紹介

香りの中心に潜入:紹介

こんにちは、マリージャンヌのアリスです。 皆さんの香水選びのサポートになるように、これまでいくつか記事を書いていますが、もっと情報があれば香水選びに役立てるのではないか!と...
Read More
マリージャンヌ調香師:シドニ・ランセスール

マリージャンヌ調香師:シドニ・ランセスール

こんにちは!マリージャンヌのアリスです。 すべての創造物には、その背後にはアーティストが存在します。そのアーティストが有...
Read More